「石山離宮・五足のくつ」のVillaC「天正」をレビュー【熊本・天草】

九州

2024年11月2日~11月4日の
2泊3日で夫と熊本・天草に行ってきました。

全室離れ・露天風呂付の
ヴィラタイプの温泉旅館、
「五足のくつ」にまず1泊です。

キャッチコピーは
「九州でもない、日本でもないアジアの中の天草」

お部屋の様子と
夕食の様子をお伝えしました。

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今回は
「五足のくつ」の
レセプションやレストランを兼ねる建物
「天正」をレポートしたいと思います。

天草と聞くと
「潜伏キリシタン」のことを
思い浮かべますよね。

まず「五足のくつ」に着いて
この「天正」に通してもらった時、

キリスト教が伝来した時代の天草に
迷い込んだような気持になりました。

たくさん写真を撮ってきましたので、
ご覧いただければ、うれしいです。

チェックイン:レセプション「天正(てんしょう)」にて

まず「天正」と呼ばれる建物で
チェックインです。

朝の雨が上がり
お日様も出てきたので、

オープンテラスへ通していただき
ここでチェックインしました。

「五足のくつ」VillaCエリアは
山の斜面にあるので、
東シナ海が一望できます。

このオープンテラスは
滞在中、自由に出入りできます。

「天正」には4つの役割があります

まずは外観です。

「天正」は4つの機能を担っています。

順番にご紹介していきます。

レセプション

チェックインとチェックアウトをするエリアです。

少しおみやげも置いてあります。

活版印刷のハガキ。

「活版印刷」と言えば
「キリスト教」と一緒に伝来したのでしたよね。

下浦土玩具の天草土人形。

天草の伝統工芸品だそうです。

やまんば、恵比寿さん、くるまエビ、ふくふく(ふぐ)、
よかっぱ、弁天さま、めじろおし。

色鮮やかで
マットな質感がカワイイです。

ただチェックイン時は
天気が良かったので、

このレセプションではなく
外のカフェテラスでチェックインしました。

レストラン天正

完全個室です。

「五足のくつ」VillaCは5室あるので、
食事をする個室も5部屋あります。

どのお部屋も
東シナ海に面しており、

お食事しながら海が見られます。

夜は外が真っ暗ですが、

個室のシャンデリアが
光と影の、幻想的な空間を
作り出してくれていました。

入り口ドアにはめ込まれていた
ガラスに光が通っているのが神秘的でした。

5室、それぞれ
色の入り方が違っていて、美しかったです。

BAR & ライブラリー

この日、
実際にはバーは営業していませんでした。

ただ出入りはできるので、
雰囲気は味わえます。

この日、
「他のお客さんと会わないな」
と思っておりましたが、

VillaCに宿泊していたのは
私たち1組だけで、
貸切状態でした。

宿の方が
私たちだけについてくれて、

まるでバトラーに
ついていただいているようでした。

なので
「人に出会わない」が
通常なのかどうかは分かりませんでした。

ただ「五足のくつ」は
「個」を重視しており、

満室でも、ほかのお客さんと出会うことは
ほとんどないようです。

雲仙国立公園内の
約10,000坪の敷地に、

15棟のみの客室だから、
そうなるのかもしれません。

「プライベート感」をおもてなしとして
重視しているお宿です。

バーのお隣の
ライブラリー
はこんな感じです。

ライブラリーを利用してはいないのですが、

いっぱい画像を撮ったので
ご覧ください。

普段なら手にとらなそうな本が
旅に行くと興味深く思えます。

「五足のくつ」は
「ミシュランガイド熊本・大分2018 特別版」に
掲載されたそうです。

小さな置物が
いろいろ置いてありました。

カフェテラス

チェックインは
オープン・カフェテラスでしました。

カフェテラスから眺める
東シナ海の夕暮れも素敵でした。

一瞬ですが、テラスの夕暮れの動画がありますので、
お楽しみください。

その他、「天正」の中を
たくさん撮りましたので、
ご覧ください。

 

最後の写真の人形は
「山姥(やまんば)」と言われており、

キリスト教信仰が禁じられていた頃、
潜伏キリシタンがマリア様に見立てて
信仰していたということです。

「天正」のそこここに
キリシタンの空気を感じられ、

異国に来たような、
少し前の日本に連れていかれたような、

時空がゆがんでいるような
気もちになりました。

私はキリスト教徒ではないですが、
マリア様を見ると、
懺悔したいような気持ちになりました。

「天正」の名前の由来は?

レストランの個室に置いてあった
パンフレットに、

「天正」の
名前の由来が書いてありました。

 

 

ヴィラCのテーマは
「キリスト教が伝来した中世の天草」

その時代の元号から
「天正」と名付けました。

世界遺産の崎津天主堂を思わせる廊下は
天草の大工の手作業によるもの。

かつて崎津天主堂や大江天主堂などの
教会建築を手作業で行った先人たちにならい、

「手作業で造りたい」という
大工の熱い申し出により完成しました。

床は
長崎のオランダ坂やグラバー邸で使用されている
「下浦石」を使っています。

細部まで天草に対するこだわりが
行き届いているのですね。

「天正」~電気梯子塔~VillaC-3までの景色

「天正」でチェックインした後、

電気梯子塔(エレベーターホール)で
上へあがり、

それから
お部屋(VillaC-3)へ向かいます。

「五足のくつ」でもらった全体見取り図

「天正」から「電気梯子塔」への
連絡通路です。
(わかりにくいですが)

電気梯子塔の入り口です。

エレベーター前の空間です。

エレベーター前に棚がありました。

いちばん上の段に
文庫本が陳列されていました。

天草に縁があるのか
「五足のくつ」に関係があるのか、

はたまた、まったく関係ないのか
すみませんが分かりません。

その他、オリジナルワインと
天然塩も飾られていました。

エレベーターの中の隅に
ウサギのオブジェが。

上にあがると、
乗り口の脇にゾウの置物も。

通路を渡って、外へ。

石階段が現われます。

階段を登りきると、すぐ左手に
VillaC-3の建物がありました。

部屋から見える
「電気梯子塔」の屋根と
東シナ海の様子が美しかったので、

それもご覧ください。

夕方6時前

朝6時前

朝7時ころ

石山離宮の「石山」とは?

「五足のくつ」には
「石山離宮」と冠が付いています。

この「石山」とは
地元では「天草陶石がとれる山」
のことを指すそうです。

「天草窯元めぐり」パンフレットより

天草陶石:世界的にも珍しい陶磁器原料

「五足の靴」の公式ホームページに
説明がありました。

「天草陶石」とは
白磁の原料となる石のことで、

有田焼や瀬戸焼をはじめ
日本の80%超が天草陶石で造られています、

とのこと。

石山から石を採掘する鉱業は
天草の一大産業

だとも。

窯元がたくさんありますね

「天草窯元めぐり」パンフレットによると、

天草西海岸に産する天草陶石は
単体で磁器を作ることができる、

世界的にも珍しい陶磁器原料

だということです。

朝食の器も
天草の窯元「蔵々窯(ぞうぞうかま)」で
作られたもの。

「まるで陶器のようですが
天草陶石で造った白磁の器」
とのこと。

 

天草に陶磁器のイメージが
まったくなかったので、
意外な発見でした。

私が天草を訪れた時期は
ちょうど「天草大陶磁器展」が開催されておりました。

街のほうへ行くと
そののぼりが多数掲げられていました。

宿の方にもおすすめいただきましたが、
行かなかったので、

こうして調べてみると
行ったらおもしろかったかも、
と思いました。

天草陶石:下田温泉は珍しい温泉

「五足のくつ」公式ホームページの、

下田温泉の特長を紹介する中に
「天草陶石」の記載がありました。

下田温泉は火山性の温泉ではなく、

天草下田温泉を東西に流れる
下津深江川の水が

天草陶石層に浸透して温められ
湧出された極めてめずらしい温泉です。

その歴史も古く、
およそ700年以上前の建武年間、

白鷺が発見されたと言われている
天草では唯一、古くからの温泉地です。

下田温泉が湧出する天草陶石は
鉄分を多く含んでおり
熱伝導率が高い石です。

そのため温泉もあったまりやすく、
冷めにくいというのが特長です。

また、アルカリ性の温泉ですので
肌の汚れをきれいに落としてくれます。

ポイントは入浴後の化粧水&美容液。
ぐんぐん浸透してもっちり肌にしてくれます。

VillaC-3の客室露天風呂。下田温泉・源泉かけ流しです。

「天草陶石」は陶磁器だけでなく、
温泉にもありがたい効果を
もたらしてくれているのですね。

年中、しめ縄が飾られている

これは「天正」だけじゃなく
客室ヴィラもそうなのですが、

行ったのは11月にもかかわらず
しめ縄が玄関に飾られてありました。

天正のしめ縄

客室ヴィラのしめ縄

しめ縄は松の内を過ぎると
外すものかと思っていたのですが…。

なぜなのか?

一説によると、

キリスト教の弾圧が厳しかった時代に
「私はキリシタンではなく、神道です」
と示すため

だということです。

切ない歴史ですね。

ちなみに一年に一回、
付け替えをするそうです。

以上、
「石山離宮 五足のくつ」
VillaCの管理棟である「天正」について
レポートしました。

あちこちに天草の歴史や地理を
たどるヒントが隠れていて、
とても興味深かったです。

 

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